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2015年4月 8日 (水)

政治学研究の基本姿勢

このブログは、主に講義やゼミ、研究活動等に関する情報の提供を目的として開設したものです。
ただし、このブログで提供するのは補足的なものであり、正式な連絡事項に関しては、必ず学内の掲示板や学内システムで提供されている情報を確認してください。
また、このブログの内容はあくまでも個人的な見解を示したものであり、日本大学および日本大学法学部を代表する見解ではないことを予め明記しておきます。

さて、ブログを開設するにあたって、研究・教育に際しての私の基本姿勢について示しておきたい。

【政治学研究の基本姿勢】

「すべての人の尊厳のために」
すべての人の尊厳と権利が、正しく重んじられる社会の構築を目指す

①個人の自由と人権・人格の尊重

②公共性への配慮

③弱者に対する共感共苦

④適切な批判精神

分析を主体とした研究や政策研究が主体となっている今日の政治学研究において、政治思想・政治哲学研究はもはや少数派です。
しかしながら、その一方で最も求められている研究分野だということもできます。政治学には様々な下位分野が存在しているが、教科書等を除外すれば、一般に購入されている政治学関連書籍の中で最も購入されている分野は政治思想・政治哲学だといわれています。数年前に話題になったマイケル・サンデルなどはその代表例です。
つまり、現在の(日本)社会には、すぐにでも政治活動や統治に用いることができる技法としての政治学を求める流れと、思想研究のような「非現実的」な研究を求める人間が存在していることになります。

人間が生きていくためには、また社会が維持されていくためには、規範に対する一定の配慮が不可欠であると私は考えていますし、多くの政治思想・政治哲学研究者も同様の思いを持っているのではないでしょうか。
もちろん、それはテオクラシーのような思想統制的な社会を望んでいるということではなく、アリストテレス的な言い方をすれば「よき生」が全うできるような社会だということができます(アリストテレス主義者でなくても、またその程度や方向性に多少の違いはあっても、政治思想・政治哲学の研究者の多くにはそのような意識があるのではないでしょうか?)。そして研究者以外の、世の中の大多数の人々も、そのような社会の到来を希望しているのではないかと、私は考えています。

私が上に示した基本姿勢は、そのような問題意識に基づいています
すべての人の人権と人格が認められて、各人の尊厳(dignity)が正しく尊重された社会。こういった社会が成立するには公共性に対する配慮が求められます。公共性が強権や抑圧の大義名分とされないためにも、弱者に対する共感共苦(compassion)を欠くことはできません。そして、これらお理想nを実現していくために、政治学には適切な批判精神をもって社会や政治を見ることが求められています。

ここまで私が記してきたことは、恥ずかしいほどに理想的です。非現実的だと馬鹿にする人もいるかもしれません
だが、現実的な人たちが多くを占める今日において、政治思想や政治哲学の研究者くらいは非現実的な理想を唱えてもいいのではないでしょうか。むしろ、そう主張するべきではないでしょうか。
今、私を支えているのはそんな青臭い理想論です。どうせ年をとれば誰でもそれなりに現実的になっていきます。新しいスタートを切ったこの時くらい、理想論を語っても許されるでしょう。

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